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鳴神(なるかみ)

 滝壺に世界中の竜神を封じ込めて雨を降らせないようにした鳴神上人<なるかみしょうにん>が、美しい女性の色香に惑わされて破戒堕落し、悪鬼となって荒れ狂う物語。能『一角仙人』の趣向を発展させた作品で、前半の濡事<ぬれごと>と後半の荒事<あらごと>との対照に特色がある。初代も演じているが、現行の復活台本は二代目が演じた『雷神不動北山桜<なるかみふどうきたやまざくら>』に含まれていたものを基にしている。明治43年(1910)5月、二代目市川左團次が復活(岡鬼太郎補綴)した。

初演年月 貞享元年(1684)1月
原題名 門松四天王
かどまつしてんのう
初演者 初代市川團十郎
初演劇場 中村座 (江戸)
テキスト:服部幸雄著『市川團十郎代々』(講談社刊)より
写真:小川知子撮影