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外郎売(ういろううり)

 曾我十郎(五郎にすることもある)が小田原の「透頂香<とうちんこう>」(外郎と通称する)という薬を売り歩く商人の扮装で現れ、この中国伝来の妙薬の由来や効能を、すらすらとよどみなく述べ立てる。雄弁術を聞かせるのが眼目の役と演技。大正11年(1922)9月、市川三升が復活上演した作(平山晋吉脚本)と、昭和60年十二代目團十郎が復活した作(野口達二脚本)とがあり、現在は後者が上演されている。

初演年月 享保3年(1718)1月
原題名 若緑勢曾我
わかみどりいきおいそが
初演者 二代目市川團十郎
初演劇場 森田座 (江戸)
テキスト:服部幸雄著『市川團十郎代々』(講談社刊)より
写真:小川知子撮影